【農風景】防風林を浮き立たせる霧氷

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牧草地を区切るようにある農道では、道端に冬の北風を遮るものがないと、吹雪になった際には道路を風が吹き晒し、ホワイトアウトになったり、道路に雪が吹き溜まったりして、安全に車が通れなくなってしまいます。そこで、家の周囲や道路際には風を防ぐために、防風柵が設置されたり、防風林が育てられたりします。

防風林として選ばれている木として多いのは、その成長の速さからだと思いますが、カラマツがよく植えられています。落葉する針葉樹で、秋には黄葉が、春には新緑、夏には深緑と、季節に応じて見られる姿が違うので、道路を走っていても景色の変化を楽しませてくれます。

中でも冬に見せてくれる姿で印象的なのは、気温が下がった早朝に見られる霧氷を纏った白い状態です。幹よりも枝のほうが細く冷えているからか、幹よりも枝に霧氷が着いているため、まるで白い花を枝いっぱいに咲かせているかのようです。幹が茶色なので、霧氷の白色とのコントラストもまた美しく目を惹きます。

なかなか気温が上がってくる3月では早朝に霧氷を見られる可能性は低くなります。でもたまに早朝の気温が急にマイナス10度以下になると、昼間暖かい分空気中の水分も多くなっているからか、きれいな霧氷景色を見せてくれることもあります。3月は日の出とともに気温がどんどん上がってしまうと、すぐに霧氷は散ってしまうため、気温が下がりそうな早朝は少し早起きして、出かけてみるのもいいかもしれません。

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