【日記】春はすぐ目の前に

日記 - Diary -

北海道の冬は長い。10月の紅葉が終わり、落葉樹の葉も落ち切ると、後は12月に雪が降ってくるのを待つばかり。初雪して湖畔が凍り始めると冬本番。2か月の間、ただただ北国が作り出してくれる冬の景色を楽しむ。木々に真っ白く着く霧氷や凍った湖面に咲くフロストフラワー、湖の氷が競り上がる氷丘脈、空気中の水蒸気が凍るダイヤモンドダストと太陽の光が反射して見られるサンピラーなど、その現象は多種多様だ。 そのうちに太陽のほうから、春に近づけてあげるよと、日差しを温めはじめてくれて、雪が解けていく。寒さに耐えてきた木々は、しばれが緩んだ大地から水を吸い上げては樹液を流していく。見えてきた地面からはフキノトウやフクジュソウなどが顔を出し始める。冬芽はどんどん大きくなって、日当たりのいい場所ではすでに花を咲かせている木もある。

その息吹が聞こえてくるかのように生き物たちが目覚め始める。4月、5月にもう1度、吹雪がやってきて、雪景色に戻されてしまう瞬間もあるが、暖かい春の陽気でそれもすぐに融けていく。人々の生活も春に向けて少しづつ動き始めている。春はもう目の前だ。

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