樹液を採取するには、林の中にあるカエデの木を見極めなければいけません。樹木の同定で一番分かりやすいのは葉の違いを見ることですが、落葉樹なので、秋になると紅葉して葉が無くなってしまいます。自然ガイドとしても活動させていただいているため、冬でも樹皮や樹形、冬芽などを見ることで同定することはできます。ただ、樹皮や樹形は似ている木もあるので、一番分かりやすいのは冬芽なのですが、枝が高いところについていると、双眼鏡で覗いていても冬芽の細かいところまでは見えないので、なかなかこれは○○カエデだ!と言い当てるのが難しくなります。
そこで、20118年の落葉してしまう前に木に印をつけるために樹木の同定を1本1本していきます。ミズナラ、ホオノキ、トドマツ、アズキナシ、シナノキ、カツラ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ、イチイ、ハンノキ、シラカンバ、ウダイカンバ、キタコブシとありました。この時ほど、自然ガイドしていてよかったなぁとつくづく思いましたね。初めての人だとこれだけでも時間がかかってしまいそうです。その中でも、アズキナシとシナノキがカエデの樹皮にとてもよく似ていて枝は頭上高くにあったため、秋のうちに調べておいて正解でした。
アズキナシ
シナノキ
イタヤカエデ
樹皮の写真は説明用に秋が終わってから撮影していますが、樹皮だけだとなかなか難しかったと思います。とりあえず、色が目立ってしまいますが、持っていたピンクテープを巻いていきました。
そもそも一概にカエデと言っても種類があります。イタヤカエデやハウチワカエデ、ヤマモミジ、オガラバナ、カラコギカエデなどが周辺で見られる主なカエデですが、特にイタヤカエデが本場カナダのサトウカエデに近い樹液が取れるようです。敷地の中にはイタヤカエデとハウチワカエデの2種類ありましたが、樹液の収穫量など全く分かっていなかったため、とりあえずサトウカエデに近いと言われているイタヤカエデに印をつけておくことにしました。
ただ、細い木から30センチほどの木までがあります。インターネットで英語で説明されているいくつかのカナダでの説明を呼んでいると、言われていることがまちまちでしたが、胸高直径およそ10インチの木に1つ穴を空けて、太くなっていくと1本の木にいくつか穴を空けてもいいそうです。写真などを見ているととても太いsugar mapleにいくつかバケツをぶら下げていますが、近隣の森であそこまで太いカエデの木を私は見たことがありません。10インチだとおよそ25センチにもなってしまい穴を空けられる木が本当に限られてしまうので、細すぎない15センチ以上と私の中でひとまず基準を決めて、8本のイタヤカエデに印をつけておきました。
ここまで来ると、始まってもいない冬が終わるのが待ち遠しくなってきます。
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