【私の心に残る風景】初夏の大雪山プチ縦走(黒岳~お鉢巡り~緑岳)

私の心に残る風景 - Memorable Scenery -

普段の私のフィールドは摩周屈斜路エリアがメインとなりますが、大学の頃の友人に誘われて残雪がまだ残る大雪山を歩きに行く機会がありました。初めて行くフィールドですし、本格的な登山なので、2019年を記念して2019mの緑岳を通って7月頭に縦走しに歩きに行かないかと誘いをもらったときは絶対残雪も残っているし正直少し躊躇しました。天気の良し悪しも山行に大きく左右するため、無理そうなら引き返しましょうということを話し合い、帰りの足も考えて無理のない行程で出かけることにしました。

初めてのフィールドはやはりワクワクします。1日目は昼間の便でくる友人たちを空港へ迎えに行って、早朝に出発できるように層雲峡で宿泊しましたが、近況を話し合っていたら時間はあっという間に過ぎていきます。翌日からの天気予報はあまり芳しくないですが、それでも1週間前の雨予報だったことに比べれば十分ベターな予報になりました。

早朝目が覚めて外を見てみると低い雲に辺りが覆われています。多分、うんかい雲が立ち込めているのでしょう。購入しておいた朝ごはんを口にほおり込み出発の準備を済ませます。層雲峡からはロープウェイで登れるところまで登っていきます。登り始めるとすぐに霧に包まれ景色は全く見えなくなりましたが、足元に見られるお花たちがきれいに咲き誇っている姿で胸は躍り始めます。

2段階のロープウェイも最後に差し掛かるころぎりぎりでうんかい雲から抜け出し、足元には雲海が広がっています。さぁここからは登山開始です。

周囲の木々は新緑が始まったばかりで、すでに深緑になっている摩周屈斜路エリアとの違いを実感することができます。

向かいの山々にも雲海がかかり、上空にも雲が広がっており、ここだけ見ると、まるで水墨画の世界です。

段々と標高が上がってきます。振り返ると、雲海も気温の上昇と共に徐々に波打ち始め、使ってきたロープウェイが切れ間から見えてきました。雲海はこのまま標高を上げていくでしょうが、霧が立ち込める前には頂上に着けそうです。

すると少しずつ登山道が雪で阻まれ始めました。気温は高すぎず寒すぎずで、歩きやすい残雪のコンディションです。早めに解けた場所では摩周屈斜路では見られないお花たちが咲いています。

さらに登っていくと、招き岩が見えてきました。

振り返ると雲海がロープウェイを再び飲み込み始めていました。

辺りを見回すと今回の雲海は蒸発していくパターンのようですが、油断はできません。まだ頂上は霧に包まれていないので、その前には着きたいので、先を急ぎます。

招き岩よりも高くまで登ってきました。ここまで来ると頂上まではもう少しです。

黒岳の頂上にたどり着くとその先には山並みが続き登山道がずっと先まで伸びていきます。摩周屈斜路では見られない景色に思わず感嘆の声が上がります。

振り返ると、うんかい雲がモリモリその標高を上げてきています。

歩き始めてからずっと登りだったので、休憩を挟んだら、先へと進んでいきます。進んで2,30分だったかな。黒岳を振り返ってみると、今まさにうんかい雲に飲み込まれてしまいそうになっていました。間一髪で頂上からの景色を見れたのですね。

そのままお鉢平を目指して進んでいきます。辺りは足元に広がるハイマツや高山で見られるお花たちばかりです。雌阿寒岳や雄阿寒岳、藻琴山のハイマツは背丈が高いものも多いので、地面を這うように枯れている姿を見ると、環境の違いを実感させられます。それだけ厳しい場所なのです。

お鉢平から流れてくる雪解け水を左手に見ながら、その出どころに少しずつ近づいていくと、だんだんと火山の香りが漂ってきます。

そしてお鉢平に到着です。摩周岳や雌阿寒岳の爆裂火口とは比較にならないほど多きいです。直径が2キロを越えるとカルデラらしいので、ここもカルデラですね。カルデラとして比べると摩周屈斜路カルデラの方が断然大きいのか。それでも、昔はこの尾根に沿って山があったのかと思うと、とても不思議な感覚に陥ります。

今回はこのお鉢を半時計回りに歩いていきます。

道中はキバナシャクナゲがきれいです。

残雪を登ったり、

北鎮岳は霧で断念したり、

お鉢の周囲は雲海が立ち込めていたり、

地層?と言っていいのかがむき出しになっていたり、

特徴的な高山植物の配列を見たり、

形が変わっていくお鉢とその周囲の景色を眺めながら、

ガレ場を登ったり下ったり。

たまに足元に咲くお花、ミヤマキンバイかな?を見たりしながら歩いていきます。

そのうちお鉢巡りも終わりを迎え、白雲岳へと向かっていく分岐点にたどり着きます。

ここからはイワウメやエゾノオヤマノエンドウが咲き乱れ始めます。

そして足元のお花とその咲きにあるお山の景色がミックスしていきます。

ここまで咲き乱れている景色を見てしまうと、摩周屈斜路とは別のベクトルでスケールが違い過ぎて、神々の遊ぶ庭カムイミンタラと呼ばれるのも納得できます。

お花を楽しめていたかと思えばまた残雪歩きになるので、ほんとに目まぐるしく景色が変化していきます。

そしてついに白雲岳の麓に近づいてきました。しかしこの日はもういい時間になってきていたので、白雲岳には登らずに山小屋へ。

運よく霧に飲まれることはほとんど無く、天気も太陽の影が見える程度の雲りと歩きやすい1日でした。

山小屋の水場ではリュウキンカが咲き乱れています。

水が流れていく先はすでに谷地っぽくなっていました。

山小屋から見た白雲岳方面のこの向こうに頂上があります。

トムラウシ方面は雲がかかっています。夕方にはまた気温が下がってきたからか、上空の雲も下がってきて、寝る前には雨が降ってきていました。

1晩降り続けた小雨は朝までには止み、外に出てみるとトムラウシ方面も見えていて、その向こうには雲間から空が少しだけ顔を覗かせています。今日も天気予報はあまりよくはありませんでしたが、とりあえず雨は降らなさそうです。

朝ごはんを食べて出発準備をしていると、少しずつ雲間が開き始めています。なんだか晴れ間が見えてきそうです。

そうこうしていたら晴れ間が見えてきました。2日目は白雲岳を登ったら緑岳経由で高原温泉へ降りていくだけです。焦らずゆっくりと移動していきます。

エゾナキウサギの鳴き声が聞こえながら、岩場を登っていきます。

最後には残雪を登っていくと、白雲岳に到着です。この時期は正面に見える旭岳の裏側に広がるゼブラ雪渓が有名だそうで、霧もかかっておらず、そのシマシマ模様を見ることができました。

遠くの山々も見ることができました。

一通り景色を見ながら休憩したら、今回の目的である緑岳方面へ向けて歩いていきます。

その道中、昼に向かっていくにつれてどんどんと晴れ間が広がっていきます。

予報はあまりよくなかったのに、ここまで雨にも当たらず、霧にももまれず、さらに晴れてくるなんてと、誘ってくれた友人たちを絶賛しながら進んでいきます。

途中シマリスが顔を出してくれました。

振り返ると、山小屋やその先の白雲岳も見えます。すると、目を疑うほどに私たちがいた時には全く無かった霧が立ち込め始めているではないですか。もうほんと感謝しかなかったですね。

緑岳付近まで来るとその先に降りていく森が見え端ました。

上空はもう暑いくらいに晴れてきましたが、それに逆行するようにトムラウシ方面は霧に包まれていきます。

そしてやっと緑岳に到着です。

頂上の標識と記念撮影をしたら、目的達成。そこからは高原温泉に向かって降りていきます。

雪渓に落ちる雲の影を見たり、

すでに雪の無い山の上に発達し始めた夏雲を見たと思ったら、

数十分で積雲くらいにまで成長していました。あの辺りはそのまま通り雨に見舞われていたでしょう。

だいぶ登山道を降りてくると、高原温泉を取り囲む山並みを見下ろすことができました。高原温泉は高原沼という点在しているいくつかの沼を結ぶ散策路が秋の紅葉で有名ですが、こうして上から見ると、あの残雪がこの盆地に流れ込んでいくのだから沼がたくさんあるはずだよなと思わされます。

中腹まで降りて来て上を見上げると、夏雲が浮かび始めていました。この後は少しずつ天気が悪くなってくるかもしれません。

そして最後には高原温泉登山口に到着です。ここにもボッケがありましたが、ボッケも阿寒や屈斜路とは規模が違い、もうほんとボッコボコ言っていました。

この日はそのまま高原温泉に泊まり送迎バスで翌日層雲峡まで送り届けてもらいます。少し早く着いて、まだ高原沼散策路に入れる時間だったので、途中まで歩きに行ってみました。

30分ほど進んでいくと、いくつもの沼を次々と見ることができます。

残雪や新緑でも結構きれいだったので、たしかにこれは紅葉の時期に来てみるとすごいきれいかもしれません。

この時期はちょうどミズバショウも咲き始めの時期で沼と新緑とミズバショウの景色を楽しむことができました。

今回は天気に恵まれ、無事に予定していた行程を終了することができました。ただやはり摩周屈斜路とは違い本格的に登山なので、何度も通ってみたいと思わせてくれる景色でしたが、なかなかそうもいかないんだろうなとも思わせてくれるそんな山行でした。

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