試しにつけてみた1本目から樹液が出てきたので、さらに採取すべく予め印をつけておいた木数本に穴を空けて試していきます。カナダのようにとても太い木なら2か所3か所と穴を増やしていけるのかもしれませんが、なんせ一番太い木でも30センチしかないため、1年目からいきなり穴を空けた木が枯れていってしまったら困りますし、予め1本の木に1か所しか穴を空けないと決めておきました。
試してみたいのは、穴を空ける高さ、方角、深さ、穴の大きさですが、いきなりすべてを検証できないので、まずは同じくらいの高さ約140センチ、深さ約3センチ、9ミリの穴の大きさで違う方角に穴を空けていきます。もちろん木の大きさや健康状態によっても採取量に差が出るとは思いますが、東西南北、別々の方角で木に穴を開けてみました。
27日に出始めた樹液もその後寒くなったりして毎日出続けていたわけではなく、暖かい日に少しずつ溜まっていきましたが、ここで1つ問題が出てきました。
チューブがそもそもチューブで柔らかいため、空けた穴にただチューブを取り付けただけでは、チューブに流れ込んでいく量よりも穴とチューブの間から漏れていってしまう量のほうが多いのではないかと思えるほど樹皮を伝って樹液が流れていってしまいました。
そこで、ホームセンターで固いプラや鉄のもので、チューブの内径にはまって且つ9ミリに開けた穴に少しきつめにはまるような中空の何かが無いかと探していたら、灯油のゴム管をつなぐための金具がジャストフィットだったので、木の本数分購入してきてチューブと穴の間をつないでいきました。もちろん全く漏れていかないわけではないですが、これなら許容範囲でしょう。
そして1週間ほど観察していたら、どの方角に穴を空けるべきか、どんな時に樹液が出てくるのかが少しずつ分かってきました。まだまだ早朝の気温はマイナス10度とか15度になるため、気温が零下になると樹液は出てきません。かといって気温がプラスになったからとすぐに樹液が出てくるわけでもありませんでした。
夜間の零下の空気に触れるといくら糖分を含んだ樹液でも凍ってしまい氷が空けた穴をふさいでしまい樹液が出てこなくなります。それなら昼間の気温がプラスになったところで、チューブを一回外して穴の中の氷を取り除いたらすぐに出始めてくるのではないかと思い試してみましたが、取り除いただけでは滲み出てきません。
これは確認できませんが、きっと穴周辺のまだ木の中にある樹液も穴から入り込んでくる冷気で凍ってしまうのでしょう。そのため気温が5度くらいになるころに、ちょうど流れ始めてくるのですが、それまでなかなか樹液が出てこないのです。
そのため、早朝の気温が低ければ低いほど、がっちり凍ってしまい、早朝の気温が低いと5度になるまで時間がかかるので、同時に樹液が出てくる時間も遅くなっていました。そして、夕方また零下の気温になると、凍り始めて樹液が出てこなくなります。ということは、昼間氷が融けるのが早ければ早いほど、樹液が出てくる時間が長くなり収穫量も多くなるということですよね。
ここで、穴を空ける方角がとても重要なポイントになっていました。
観察していると、南に穴を空けている木の方が北に穴を空けている木よりも早く氷が融けて樹液が出始めるのです。特に天気が良くて太陽の日差しが出ているときほど違いが大きくなりました。やはり太陽の力は偉大ですね。
方角の検証の結果は、できるだけ南側の太陽の光が良く当たる面に穴を空けるほうがいいことが分かりました。なので、残りの数本の木は南面にボトルを設置して樹液を本格的に採取し始めました。
つ づ く
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