【メープル物語】奥深い薪ストーブ

メープル物語 - Maple story -

今シーズンの樹液採取とシロップの製造が始まりました。透明感のあるシロップをビン詰めするまでの行程は、昨年の試行錯誤の甲斐あり、とてもスムーズに行うことができています。しかし、煮詰める作業を改善できないかと試行錯誤をしている最中、とある失敗に陥り、今季販売できるであろうシロップの約半分弱は訳アリ品となってしまいました。今回はそれを記録しておきたいと思います。

□ 試行錯誤1:薪ストーブが使えるテントを張ってみた

昨年はただ野外に置いた薪ストーブで火を焚いていましたが、雨風をしのぐことができなかったため、薪ストーブだけでもいいので、雨風をしのげるように煙突を通せるテントを購入し張ってみました。人が入ってストーブで温まるという使い方ではそもそも無いので、テントはストーブを焚くだけなら十分の大きさで、ストーブと小さい折り畳みのテーブル、薪を積んだらいっぱいです。樹液から蒸気が大量に出るため、入口は全開にしての使用です。それでも蒸気がテント内側で多少水滴となってしまいますが、テントは角錐形だったため、水滴は内側を滑りながら落ちていき、ボタボタとストーブの上に落ちてこないのがいいところです。ただ、作業をするためには狭い空間のため、いつか小さい小屋でもいいので、シュガーハウスを立てられたらと夢ばかりは膨らみます。

□ 試行錯誤2:煙突の長さを変えてみた

始め煙突は2つ繋げて煮詰めていましたが、火力をもう少しあげたかったため、3つ、4つと試してみました。長くなっていくごとに、火の着けやすさも向上し、温度計でお湯を測ってみても、煙突が伸びるほど温度が上がっていきました。煙突を伸ばしたことによる煙突の不安定感はロープを3点で結ぶことで解消しました。ただ、4つ以上にするともっと煙突の高い位置にロープを結びつけなければ安定しないため、4つでも十分な火力が出ていると判断し、現状は4つの煙突を連結させて稼働させています。

□ 試行錯誤3&とある失敗:樹液を一定期間貯めて3日間連続で煮詰めてみた

昨年は日々採取できる樹液を翌日に煮詰め、数回に分けて出来上がったシロップを大きな瓶にまとめ、最後に小分けにして瓶詰めしていました。ただ、煮詰め終わった後すぐにフィルターをしたものを大きな瓶にまとめていたのですが、1回で煮詰めたシロップを詰めた小瓶と数回に分けて煮詰めたシロップを詰めた小瓶では、明らかに後者の瓶の底に、数日で結晶化ではない沈殿物が出てきました。

原因はいまだに不明ですが、毎日できるシロップも火からおろすタイミングによって多少糖度に違いがあるでしょうし、出来上がったばかりのまだ熱いシロップを前日のシロップに混ぜていましたから、様々な要因で沈殿物が発生してしまったのでしょう。であれば当初の僕が思いつく方法は、1つしかありません。一定期間貯めた樹液を一気に煮詰める、です。

そして、15日間ほど貯めた130リットルほどの樹液を煮詰めてみるという試行を実施してみることにしました。その時はまだ気づいていませんでしたが、これが失敗に続く道の始まりでもありました。

まず、そもそも煮詰めるための備品を増やしていないため、今回煮詰める量だけ増えたわけですから、とてつもなく時間がかかりました。火を焚き始めた当初は、30時間ほどあれば終わるのではないかと高をくくっていましたが、結果、合計55時間ほどぶっ続けで火を焚き続けることとなってしまいました。なんと2徹です。1徹の時点ですでに煮詰めている鍋の様子が変化してきていたはずですが、経験不足により気づくことができませんでした。

そして、全ての作業が終わると、この55時間は失敗だったんだということに気づきました。それは、出来上がったシロップは真っ黒で甘いけど味が変だったのです…。

どうして失敗してしまったのかを振り返ってみると、その変化は、まず薪ストーブから起きていました。

ホームセンターで購入してきた薪ストーブは暖を取ったり煮炊きするためのものであるため、そもそも火力を全開にして長時間稼働させるようにストーブができていないのでしょう。火力を最大にするために薪をくべていくと、同時にどんどんと灰が蓄積されていきます。過去の使用から全く灰の掃除をしていなかったこともあいまり、最終的に煙突に繋がるストーブの排煙口まで灰が溜まってしまっていました。

そのため、排気が通常の状態で行われなくなります。空気が上手く通らなくなっているにも関わらず、火力を落とすまいと薪はくべ続けられていたため、煙がくすぶり続けてしまっていました。薪も家の周りの倒木や立ち枯れを利用しているので、燃えはしますがいい状態のものではありません。すると、次に変化が起きてくるのが、煙突内や煙突頭部です。くすぶっていた煙により、煙突類はヤニまみれになり、頭部の排煙口にある網目なんてヤニで詰まってしまっていました。

最終的に多くの煙が鍋の下から立ち上がるようになり、煮詰めている鍋を煙が纏っていきました。当時は正直、炎が燃え上がっているわけでもないので、薪ストーブが状態異常であるという意識が薄く、なんだか薪の燃えが悪いな、鍋の回りが煙いな程度にしか思っていませんでした。しかし、それらがシロップをヤニ色に染めてしまうという、あらぬ結果を招くことになりました。

振り返ってみると、1夜明けた時点で煮詰めている樹液に変化は出ていました。あれ?と一瞬思ったものの、メープルシロップは樹液を採取する時期でダークやベリーダークと呼ばれる黒いシロップもできます。まだシーズン半ば手前でしたが、その年の気候によってもその色合いは変化するということでもあったので、気にせず続けてしまい、最終的にシロップの訳アリ品が大量にできてしまうという結果になりました。

そこで始めて、一生懸命働いてくれている薪ストーブに目を向けてみると、手入れもろくにしておらず薪ストーブの能力を理解しきれていなかったことで、前述したことが起こってしまい、通常の能力を発揮できていなかったことで、シロップ作りを失敗してしまったのかということに気づかされました。

□ 試行錯誤4:煙突とストーブ内の灰の掃除と薪のくべ方

美味しいメープルシロップを作るには、まず薪ストーブのお手入れです。ストーブに溜まった灰はある程度を残して、しっかり取り除きます。排煙口に溜まっていないか、煙突頭部はヤニで詰まっていないか確認します。これらは、ガンガン薪をくべるので、毎回実施することにしました。

またいきなり煮詰め始めてまた失敗したらという不安もあったので、一度どうしたらうまく火を成長させることができるのか、試行錯誤してみました。そこで、ガンガン薪をくべはするものの、燃えきる前のくべすぎに気を付けるようにしました。前回はストーブ内部に隙間ができてきたら、どんどん薪をくべるスタイルを取っていましたが、すると通気口付近はガンガン燃えるものの、空気が回らなくなってしまう空間には炭化した薪がどんどん燃えきれずに残ってしまっていたことを思い出し、一度に薪をストーブ内で燃やす量を少なくしました。そもそも熾火のほうが火力が強いのだから、熾火が無くならないように薪をくべることで、効率的に火を育てていくことができるようになりました。

□ 試行錯誤5:樹液を一定量で煮詰めてみた

今までは、カナダの、“樹液を採取する時期によってメープルシロップのグレードに違いがある”、ということに囚われすぎていて、採取する期間で出来上がりを区別しようとしていました。しかし、現在使用している薪ストーブでは、長時間の最大火力の維持は灰が溜まりすぎてしまい難しいことや、睡眠を取らずに煮詰め続けるという作業には、身体的な負担が大きいこと、そもそも今の木の本数ではそんな大量に樹液は取れないことから、朝から夕方までの最大12時間で煮詰め切れる量を日々作っていき、そこで完成したものをそのまま瓶に詰めていくという方法を取ることにしました。

これが、採取できる樹液の量と持ち得る備品でできる今現在の最大限ではないかと思っています。この方法だと2日に一回か3日に一回煮詰めることで、ストックされていく樹液の量と煮詰める量が上手く回っていきます。このまま作業行程を確立していくことができれば、来年は煮詰める作業から瓶詰め作業までスムーズに実施していけるのではないかと思っています。

□ 今後のこと

瓶詰める作業、煮詰める作業と形作ることができましたが、メープルシロップの作業も終わりに近づいています。ただ、今年は新たに、バーチシロップであるシラカバシロップ作りに挑戦してみようと樹液採取のボトルを設置してみました。すでに樹液も出始めています。バーチシロップってそもそも食べたことがありません。まずは作って味見してみることから始めてみようかと思っているので、それはまた改めてまとめることができたらと思っています。

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