【特集】摩周で見られる雲たち

過去掲載

日本で最大規模の大きさの屈斜路カルデラや水で満たされている摩周カルデラという地形に囲まれているからなのか。南は太平洋から、北はオホーツク海から風が吹いてくるからなのか。摩周・屈斜路カルデラ上空では実に様々な形の雲を観察できます。そこで今回は、摩周・屈斜路両カルデラを眺めることができる摩周の展望台から見られる雲をご紹介していきます。※雲の名前は参考書の写真と見比べて、似ているものを参考にしています。

☁すじ雲


夏の天気のいい日に空を見ていると、わた雲のさらに上空で、風向きが急に変わり、風が強い時、すじ雲が発生しているように思います。こういう日は天気が良く、気温は高めですが、風もあるため、清々しい1日となる日が多いのが特徴ではないでしょうか。

☁いわし雲


ひつじ雲と見分けるのが難しいですが、もこもこが小さく、秋に代表的な雲のようです。

摩周周辺では、昼間は暑く、朝にはひんやりして澄んだ空気感が漂う、夏の朝晩の気温差が激しい時に発生しているように思います。

それほど、道東の夏は、秋のような肌寒い朝が多いということなのではないでしょうか。

気温差が激しく湿った空気が漂うときは、雲海が見られることもあります。

☁うす雲


空全体に乳白色の薄い雲が広がることがあります。

とても薄いため、雲の向こうに太陽を見ることができ、その周りに日暈がかかることもあります。

天気はいいように思えますが、天気が悪くなる前兆だとも言われており、写真を撮影した後、徐々に天気が悪くなっていったと記憶しています。

☁ひつじ雲


いわし雲よりも雲の塊のひとつひとつが大きいのが特徴です。

いわし雲と同じように、夏の朝の気温が下がったときに発生していることが多いように思います。

雲海と一緒に見られることもあり、その景色のダイナミックさには圧倒されます。

☁おぼろ雲


ちょうど太陽がすりガラスを通して見えるくらいにぼんやりと見え、空全体を覆っている雲をおぼろ雲と呼びます。

天気が悪くなる前兆のようで、摩周の展望台では、太陽がおぼろ雲に隠れ始めると、霧がやってきて、展望台は霧に包まれ始め、湖は見えなくなっていきます。

☁あま雲


あま雲は四季を通して現れますが、冬はゆき雲となって、雪を降らせていきます。

摩周では、雨や雪が本格的に降り始めると、あま雲の中に飲み込まれてしまい、霧で景色が全く見えなくなります。

写真はちょうどゆき雲に飲み込まれる直前に撮影した場面です。

☁うね雲


地面から2000mまでの低いところに現れる、いわゆる曇りと呼ばれる雲です。

摩周岳の標高が857mなので、摩周岳は見えているが、斜里岳は隠れてしまう高さに雲があるときが、うね雲なのではないでしょうか。

季節を問わずに見られる雲ですよね。

☁わた雲


摩周では、風も強くなく、天候の落ち着いた夏の暑い午前中によく見られます。そのため、湖がミラーレイクとなっていることも多く、わた雲を映し出してくれます、

時間が経つにつれ、綿雲はどんどん大きくなっていき、入道雲へ発達していくか、発達した雲に展望台が飲み込まれて、霧になることが多いように思います。

☁入道雲


摩周では、午前中に見られたわた雲が、午後にかけてどんどんと入道雲へと発達していきます。

しかし、よくある空高くまで昇っていくような典型的な入道雲は、発達しきる前に摩周が霧に飲み込まれてしまうことが多いためなのか、私はまだ見たことがありません。

☁きり雲


河川や湖、山など、水分が多い場所で空気が冷えると、霧が特に春や秋によく発生します。

地表すれすれから400~500m辺り硫黄山の中腹辺りで漂うので、低地から見上げると、山にかかるきり雲が、摩周の展望台から硫黄山を見下ろすと、雲海に見えます。

☁最後に

摩周の展望台からは、摩周湖や屈斜路カルデラという雄大な景色が眼下に広がるため、昼間、その空の広さを認識する方が少ないように思います。カルデラという地形が作り出してくれるのか、本当に様々な雲の種類を観察することができます。今回は主な10の雲を紹介しましたが、特徴的な雲はまだまだあると思います。ぜひ、ふと思いついた時に空を見上げてみて、自身のお気に入りの雲を探してみる時間も大事なのかもしれませんよ。

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