【特集】摩周ブルーは十人十色

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四季折々、霧に包まれていなければ、摩周湖はその姿を露わにしてくれます。太陽の高さや摩周湖の透明度、天気。それらが折り重なって摩周湖の色が醸し出されます。その色はよく、摩周ブルーと呼ばれ親しまれていますが、一概に摩周ブルーと言っても、見せてくれる青は濃淡含め様々です。そこで、今回はそんな摩周湖の色の一部分を見てみましょう。

真っ青


夏至前後の微風が吹く晴れ渡った日に真っ青な摩周湖を見ることができます。夏至前後ではまだ空気が澄んでいることもあり、湖だけではなく遠景の景色が霞んでいないのもいいですよね。

無風だと湖面がミラーレイクとなり、風が強いと白波が立っている姿となります。

ミラーレイク


摩周湖は風もなく穏やかな午前中は、鏡のように空を丸ごと映し込んでくれることが多くあります。

上空にきれいな形の雲があると、雲までも映し込んでくれるので、まるで雲海が湖の上に浮かんでいるようにも見えます。

真っ青と白を混ぜた薄い青


夏に気温が高くなってくると、太陽が高くなる昼間、遠景がぼやけてしまうほど霞がかかることがあります。

空気全体がぼんやりしてしまうので、摩周湖は青いのですが、霞の白色も交じって青を白で薄めたようなブルーとなります。

グリーン色に近い摩周湖


2016年には北海道に3度も台風が上陸しましたが、その最後の台風が過ぎ去った直後。本当にいつもの青色に戻るの?というほど青と緑を混ぜたような色になりました。

秋は夏の暑さで水温が高くなるとプランクトンなども増えるので、真っ青な色は薄まり、多少緑がかってきますが、2016年はかなり色が緑色になっていました。

秋でも緑がからないときも


湖の透明度が下がってくると、緑がかってくる摩周湖も、夏に透明度があまり下がらなかったのか、緑がからないこともあり、比較的きれいなブルーを見ることができる年もあります。

冬のどっしりした青


冬になると、夏至前後と違い、爽やかな青色というよりもどっしりとした青色になります。透明度が高くなっても、きっと太陽の位置が低いからでしょう。

周囲は雪に覆われて、湖の青と雪の白、空の青と雲の白のコントラストがとても美しく見えます。

グレイブルーな摩周湖


そもそも天気が良くなければ、摩周湖は青く見えません。雲っているときは、空に広がる雲の色が湖面で反射し、青と相まって、グレイブルーなしっとりした青色になります。

摩周ブルーは十人十色

摩周湖はそもそも湖面に近づくことができない湖なので、どう楽しむかと聞かれたら、展望台から見下ろした際に見られる湖の色を見ることだと思っています。そして、その色は訪れる時間帯や季節、天気などで変わりますし、霧で全く見えない時、朝陽や夕陽に染まる時、そして人間の記憶はとても曖昧なので、その記憶の中の色まで含めると、本当に様々な色となって、一人一人の心の中に刻まれていきます。だからこそ、前回はこんな色だったけど、今回はどうかな?と想いを寄せながら、再訪をしてみるといいのではないでしょうか。

コメント

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