今シーズンはメープルシロップだけではなく、バーチ(白樺)シロップにも挑戦してみましたのでその様子を記述しておきたいと思います。
樹液の採取時期
カエデの樹液は2月末~4月数日まで採取することができます。ピークは3月中旬ごろです。
ではシラカンバの樹液はというと、3月末~5月中旬までとカエデの採取時期とはほとんど被らないことが分かりました。
そのため、やろうと思えば、カエデの樹液を採取していた道具をそのまま利用することが可能です。しかし、ここで問題が発生します。
3月末であればまだ大丈夫なのですが、4月も中旬を過ぎてくると、一日中プラスの気温になり始めるため、採取している樹液が1日も立たないうちにボトルの中でカビ始めるのです。それでも新しい樹液は出続けるのですが、そのうち木の中で樹液が発酵し始めるのか、白濁色した樹液が出てくるようになります。
そのため、もしバーチシロップを作るとしたとしても、樹液が出始めた頃1,2週間で採取できたものしか使えないと思われます。
煮詰め方
英語のサイトなどで調べてみると、どうやら白樺樹液の中には100度になる前に焦げ始めてしまう成分が含まれているようで、メープルシロップと同じように樹液をガンガンに沸騰させ続けると、焦げてしまうらしい。
そこで、
①室内のストーブで加湿するようにとろとろ時間をかけて水分を飛ばしていく方法、
②薪ストーブは使うけど、できる限り火を小さくして沸騰しないように煮詰める方法、
③メープルと同じように薪ストーブでガンガン煮詰める方法、
の3つをトライしてみました。それが上の写真です。
左が①、中央が②、右が③です。
メープルシロップと同じように採取時期により色味が変わることもあり得ますが、それを考えなければ、明らかに右に行く連れてシロップの見た目が黒くなっていきました。そして、味自体もメープルシロップとはまた違った甘味が左にはあるのに、右に行くほど焦げたように苦くなっていくのです。
白樺樹液は美味しくないと聞くことがありますが、それは100度で沸騰させ続けてしまうことで起きる現象だったのです。
課題
ただし、ここで上がってくる課題は低温で煮詰め続けることの難しさです。
今年は試すことができませんでしたが、メープルの時に試したように、樹液を1週間ほどかけて室内のストーブで水分を飛ばしていく方法は、メープルと同じように煮詰めている最中に発酵してしまう恐れもあります。
また、すでに春の暑くなってくる室内ストーブがいらない時期でもストーブをかけなければいけないことに加え、煮詰めるのに長い時間がかかります。この50ml1本を作るだけでも2,3日かかってしまいました。
そもそも煮詰めるのにかけるエネルギーと時間が商品価格に合うのか、メープルシロップでも50ml1000円と設定させていただいたのに、食べられるバーチシロップを作ろうと思ったら、それ以上の値段になってしまいます。
まとめ
樹液の採取時期や煮詰め方で何かもう少しベターな方法がないかそれまでに考えてみて、来年もう一度トライできたらと思っています。が、何かいい方法あるか見つけられなければ難しい気もします。カエデと違い、北海道ではこれだけたくさん生えている白樺なのですから、きっと歴代トライしてきた方もいらっしゃると思いますが、それでも商品化できていないということは、きっととても難しい課題なのではないかと思っています。何かいい方法が見つかるかなぁ。
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