【摩周湖】薄っすら広がる自前の霧

日記 - Diary -

まだ葉の芽吹きも無い春の始まりで、日の出直後に摩周湖で見られる可能性があるのが、湖面にかかるようなうっすらとした雲海です。

夜から天気がいいと、放射冷却で気温がどんどんと下がっていきます。冷やされた空気は山の斜面に沿って下降していき、湖面上に溜まります。空気よりも暖かい湖水から蒸発した水蒸気が、冷やされて溜まった空気に触れることで、湖面に薄っすらとかかるような霧が姿を現します。展望台からは湖面に発生した自前の霧を上から見下ろすように見ることができるため、雲海となって私たちの目に映ります。

夏になると、海霧が移入霧となって他地域から押し寄せてきて霧の摩周湖となって湖すら見られなくなることがあります。しかし、蒸発霧は摩周カルデラ内部だけで発生した自前の霧であり、湖も見られるので、霧の摩周湖とは、本当はこの時期にかかる雲海の摩周湖の姿なのかもしれません。

太陽の光が当たるとどんどんと薄れていき、日の出1,2時間でその姿は見られなくなります。冬に見られる霧氷と同じように、早朝しか見られない朝の幻、それが摩周湖にうっすらとかかる雲海姿です。

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