【残したい自然探訪】弟子屈町の鳥:オオハクチョウ

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10月の中旬。紅葉真っ盛りの時、北海道よりさらに北国から弟子屈町屈斜路湖に飛来してくるのがオオハクチョウです。湖で休憩し、さらに南に旅立っていく群れもあれば、冬の間、湖畔に滞在する群れもあります。そんな彼らは「弟子屈町の鳥」として認定されており、町民だけでなく観光で来られる多くの方に親しまれています。6ヵ月の滞在を終える4月の中旬ごろ、湖畔に立っていると、いつしか彼らの声は聞こえなくなり、寂しくも、来たる夏への期待感も入り混じる、とても不思議な感覚に覆われます。そんな彼らの6ヵ月をダイジェストで追いかけてみましょう。

□ 10月:始めの群れが飛来してくる月

湖畔の紅葉がピークを迎えるころ、第1群が飛来してきます。真っ白い体が紅葉に映え、飛んでくる姿は見ごたえがあります。また、秋は昼間の暖かさから寒い早朝には朝霧が湖を覆うことが多く、霧と紅葉の中、湖畔で長旅の疲れを癒しているシーンには心が動かされます。

□ 11月:越冬地で休憩する月

11月にもなると、屈斜路湖で越冬する群れが決まってくるのではないでしょうか。私は個体の識別までできるわけではありませんが、その数は一定になってくる時期なのではないかと思っています。紅葉も終わり、時々晩秋の雪が降りますが、すぐに融けてしまうので、見どころの少ない月ですが、昼間のオオハクチョウたちは近くの畑の跡地などでトウキビの落ち実などをついばんでいる姿をよく見かけます。

□ 12月:雪が降るのを待つ月

12月にもなると気温も下がり、雪が降ると根雪になってくる時期です。オオハクチョウたちが雪を待っているかどうかは疑問ですが、屈斜路外輪山が雪化粧すると、湖の青色とハクチョウの白色と、青と白のコントラストを楽しむことができる季節になります。

□ 1月:湖面が凍るのを待つ月

湖面が凍らないと風が強い日には、波が立ってしまいます。雪同様、彼らが結氷を待っているかどうかは分かりかねますが、それでも湖面が凍ってくれれば波しぶきの中湖面を泳ぐ必要がないので、凍ってほしいと思っているかもしれません。凍ってくれないと彼らの行動パターンが読みづらいので、様々なシーンに立ち会うのが難しいのですが、ただ結氷前は湖のどこででも浮かぶことができ行動範囲が広がるので、彼らにとってはそちらの方がいいのかな。

□ 2月:寒さに耐える月

湖面も凍ると湖上を吹き抜ける風が一層冷たくなります。オオハクチョウたちは凍った湖面の上を移動したり、温泉が湧いて氷が融けている湖畔で休憩したりと、思い思いに時間を過ごしています。朝晩の冷え込みは-20度を下回ると、私たちは充分に着込んでいても手足はしびれてくるのに、彼らも寒さを感じているのでしょうか。

□ 3月:湖面が解氷して暖かくなるのを待つ月

気候も暖かくなり、雪解けも進み始め、湖の結氷も少しずつ緩み始めると、湖畔際では湖面が見え始めます。4月になると北上を始めなければいけないので、見えている湖面を行ったり来たり繰り返しながら、食べ物を探し回ります。3月はどんどん暖かくなっていきますが、彼らの場合、夏にさらに涼しいであろう北へ移動するので、北海道の春でも暑すぎてしまうかもしれませんね。

□ 4月:北へと旅立つ月

冬の風物詩である屈斜路湖の氷も解氷すると、そろそろ北へと旅立つ季節です。解氷し始めた湖面を自由に動き回ることもあり、4月に入ると少しずつ湖畔で見られる群れの数も減っていきます。10月の飛来してくるときは、静かだった湖畔にいきなりオオハクチョウの甲高い声が響き渡り始めるので、分かりやすいですが、居なくなる時は少しずつ声が少なくなっていくので、いつの間にか声が聞こえなくなり、オオハクチョウたちが見られなくなります。

□ 半年を振り返ってみて

およそ半年もの間、屈斜路湖で見られるオオハクチョウ。彼らは秋から春にかけて冬に屈斜路湖に起こる全ての事象を見ているはずですが、一体何を思っているのでしょうか。いつかそんなことがしぐさで分かるようになれたらと思いますが、難しいでしょうか。また、4月はいつもまだ灰色の毛が白色に生え変わっていない親子で飛来してきます。そのため、残りの半年は北国で子育てをしているはずです。いつかそんな姿も見に行ける機会に恵まれることがあれば、その時はまたこのブログでも取り上げたいと思います。

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