【残したい自然探訪】弟子屈町の花:イソツツジ

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道東では、標高1000m過ぎくらいまで山を登っていくと見ることができるのがイソツツジです。高山性の植物ではあるのですが、弟子屈町では「弟子屈町の花」としてイソツツジは認定されています。それは、アトサヌプリ(硫黄山)麓という特殊な環境下において、標高およそ150mでイソツツジの大群落が広がり、町民や観光客含め気軽に親しむことができることが理由に挙げられるでしょう。6月の開花の時期に最も多くの方が訪れるわけですが、そんなイソツツジの四季の様子をダイジェストで追いかけてみましょう。

6月:満開

ツツジと聞くと少し大きめの花を連想する方が多く、イソツツジの花を始めて見ると驚かれる方がいるほど、小さな白い花を咲かせます。その花は寄り集まってぼんぼりのような形をしており、大きなぼんぼりでは100以上の花が咲いているものもあります。この花を低地で見られること自体がとても貴重なことなのですが、身近過ぎて珍しく感じられないのが寂しく感じられるほどです。暖かな低地で自生しているため、町内のイソツツジは山のそれよりも一足早くに満開を迎えます。地熱や土壌により多少前後しますが、6月中旬頃が見ごろとなります。

7~9月:花から種へ

7月に入ると見ごろも過ぎて、花がどんどんと種になって膨らんでいきます。次々と散っていく花が名残惜しい時期ですが、この頃になると私自身訪れることが少なくなり、種が膨らみ切った画像が唯一ありませんでした。

10~12月:冬芽と越冬の準備

種も散らばり、気温が低くなってくるこの時期に、冬芽は花芽になるか葉芽になるかが決まるようです。そして来シーズンに向けて固い冬芽ができあがります。また、イソツツジは常緑のため、雪に埋もれてしまう冬に備えて、葉は茶色くなって下を向き横に丸まり、夏とは全然違う姿を見ることができます。

1~3月:雪の下へ

そして、イソツツジは雪の中に埋もれていきます。冬の外気温は-20度以下になることもあり、イソツツジにとって過酷な気候だと思いますが、断熱効果のある雪の中であれば何とか耐えられるのでしょう。こうして少しだけ頭が出ていると雪をかぶせてあげたくなりますよね。雪上散策をする場合、雪を踏み抜くとイソツツジを痛めてしまうので、イソツツジが群落しているエリアではあまりお勧めできません。

4月:目覚め

雪が融けてくると、だんだんイソツツジが雪面から顔を出し始めます。茶色くなっていた葉は暖かい太陽の光を目いっぱいに受けると次第に葉が開き始め、徐々に色づいていき緑色になっていきます。

5月:大きくなるつぼみ

葉も十分に夏仕様となると、開花に向けて少しずつつぼみが大きくなっていきます。きっと葉全体で受けたエネルギーをつぼみに集約させているのでしょう。少し見ない間にどんどんと膨らんでいきます。

5月末:開花し始める

つぼみはこれでもかと大きくなり、イソツツジが開花し始めます。地熱で温かい場所から開花していき、再び6月にかけて満開を迎えます。

今回はイソツツジの1年をダイジェストでお届けしてきました。特に硫黄山麓のイソツツジ群落では、他の時期に咲くお花が全然ないということもありますが、やはり見ごたえがあるのは6月です。ただし、ツツジの花の咲き具合や状態は、毎年違い、ぼんぼりが大きくなる年もあれば、一面に花が咲かない年、花が咲いても傷んでしまっている年などあります。

私の今年2020年の開花予報は「ここ数年の中では広い範囲にぼんぼり大きめで開花するけど、場所によってはその状態があまりよくないでしょう。」です。こう思うに至る経緯もありますが、今年の予報が当たっていたら、その根拠を来年特集したいと思います。

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