ここで、少し欲が出て、採取できる木を増やせないかと、イタヤカエデだけではなく、ハウチワカエデならイタヤカエデと同じくらい本数があるので、予め印をつけてはいませんでしたが、樹形や樹皮などから同定してハウチワカエデからも樹液を採取することにしました。
2週目の最後に気になった匂いを気にしつつ、3週目も灯油ストーブの上で煮詰めていきます。前回こし布でのフィルターが使いやすいと思ったので、今回はこし布を使ってシロップのフィルター時間を短くします。
前回は出来上がったシロップが冷めてからのほうがいいと勝手に思って、冷めてからフィルターしました。しかし、調べてみると、103.8℃で完成したら熱々のままフィルターにかけることで、時間を短縮できるそうです。今回はフィルター時間を短くできるようにそれを試してみました。
沸点が103.8℃になる前に一度こしておくと、さらに早くこせるようですが、出来上がりも2リットル弱しかないので、103.8℃になったら熱々のままこしてみました。写真では全然伝わらないですが、全然違うスピードでフィルターされていきました。これなら許容できる範囲だったので、フィルターの速さはこれでとりあえず解決しました。
樹液が取れる時期で色や味に違いが出ると2週目、3週目を比較してみると、全然違う出来上がりになりました。
ここで、2週目で気になっていた匂いを検証しなければいけません。3週目はなんと4日目で2週目の6日目に出た匂いと同じ匂いが出てきました。匂いが出る時期が早くなったのです。そこで、煮詰めている最中に何が変化して匂いが出る時期が早くなったのかを考えてみました。
煮詰めていく手段は灯油ストーブの上と同じなのですが、最も大きな違いは、雪も融け春が濃くなってくるのと同時にストーブの温度を下げているのです。それに伴って煮詰まっていくスピードは遅くなり、煮詰めるのに時間がかかるようになっていました。また、外気温の上昇と同時に室内の気温も20度を上回るようになっていました。
そこから知恵の無い私が考えられたのは、樹液はいわゆる砂糖水なので、暑くなってきた室内の気温と適度にストーブで温められた樹液の温度で、多少発酵が始まっていたのではないかということでした。なぜ発酵をイメージしたのかというと、夏の暑い日に発酵した樹液に昆虫たちが群がりますが、その匂いに似ていたからです。
最終的に出来上がったメープルシロップを2週目、3週目となめてみると、少し酸っぱく感じました。お腹を壊すことはなく、食べられないことはありませんが、これではみんなに食べてもらうこともできません。
そろそろ樹液収穫も終わりに近づいてきているはずなので、4週目がきっと最後となります。そこで今までは灯油ストーブの上に置いておくだけでよかった煮詰める作業に、最後の最後で改善をしなければならなくなりました。
つ づ く
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