屈斜路カルデラは大昔、摩周湖と同じようにその内部が陸地のない湖だったと言われています。その後の繰り返される噴火活動により、陸地ができました。その際に、日本最大の屈斜路カルデラ内部にもう一つカルデラができ、その周りを埋めるように硫黄山を含めた10の溶岩円頂丘が形成されました。それがアトサヌプリ溶岩円頂丘群です。
「アトサヌプリ(硫黄山)」を筆頭に、「マクワンチサップ(かぶと山)」、「サワンチサップ(ぼうし山)」、「ニフシオヤコツ」、「トサモシベ」、「丸山」、「ヌプリオンド」、「オプタテシケ」、「リシリ」、「名無しの山」がそれに当たります。そして、この山々の中心には、キムントーと呼ばれる山の中の沼がひっそりと存在しています。
屈斜路カルデラ外輪山にある複数の展望台からは、その姿の一部を見下ろすことはできるものの、それぞれがあまり背の高い山々ではないため、全容を見ることができません。唯一摩周第3展望台からは、説明されればあの場所がもう一つのカルデラなのかと認識できる程度です。
屈斜路カルデラは外輪山に囲まれているため、内部と外部で違う天候になることがありますが、内部の中でも、このアトサヌプリ溶岩円頂丘群によって風が渦巻くからなのか、ここは晴れているけど、あっちは雨、こっちは雲だけど、あそこは風が強い、のように、低地なので山の上のようにいきなり荒れ始めることはあまりないですが、天候が不安定なのは確かです。
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