【コラム】エコツーリズムって?

外貨獲得の手段としてツーリズムという言葉が浸透していくほどに、様々な分野が名乗りを上げて、農業ならグリーンツーリズム、海ならマリンツーリズム、健康ならヘルスツーリズムなどそれぞれが得意分野を生かした旅行形態を作り上げようとしています。エコツーリズムと呼呼ばれているものもその一つです。今回は、私自身も関わっているので、エコツーリズムについて少し自分なりに掘り下げてみたいと思います。

前回、ツーリズムとは、”旅行をする上で必要な交通や宿泊、飲食、体験などをコーディネートし、提供することで生活していくことができるという考え方”ではないかと言いましたが、エコツーリズム(Ecotourism)は、さらにエコ(Eco)を加えた造語となります。

日本では、エコという言葉を用いると、環境にやさしい、とか、節約になる、などだけがイメージとして浮かび上がってきます。それは、そういう機能や能力のある商品やサービスの販売を促すために、CMやメディアなどでPRに利用されているために他なりません。

しかし、そもそもEcoは生態系であるEcologyや経済のEconomyの略です。ではどちらがエコツーリズムでいうエコに当てはまるのかと聞かれると、私は生態系であるエコロジーから来ていると思っています。もちろん現代の環境問題を解決できる一つの手段として経済の発展もまた必要でしょう。しかし、ツーリズムがすでにビジネスに結びついているため、やはり、ここではエコロジーのエコを主に考えるのが妥当なのではないでしょうか。

ではエコロジーのエコがエコツーリズムのエコなのであれば、エコツーリズムとは、”その土地の生態系を生かし、旅行をする上で必要な交通や宿泊、飲食、体験などをコーディネートし、提供することで生活していくことができるという考え方”なのではないでしょうか。

生態系を生かすと言っても、イメージしずらいかもしれませんが、その土地の動物やその土地を取り巻く自然環境を生かすことだと思っています。しかし、単に生態系を生かすと言っても、利用するばかりでは、自然環境は破壊されていくだけで、持続可能なビジネスになりえません。そのため、エコツーリズムにはいくつかの条件が必要になると思っています。

それは、自然豊かな場所が目的地であること、目的地の自然環境を学べること、自然環境への負荷を最小限にすること、自然環境の保全に貢献すること、地域文化を尊重すること、地域社会に貢献すること、ではないでしょうか。

これらが互いに相乗効果を生むことで持続可能なエコツーリズムになっていきます。

ここで2つの視点から上記の条件を見ていきたいと思いますが、発地側でツアーを企画するのか着地側でツアーを企画するのかで見え方が変わってくるということです。基本的にツアーを企画するというビジネスは着地側よりも発地側に多く存在することがほとんどでしょう。着地側で受入している場合、1つのエリアで勝負することになるので、顧客の数を増やしていくしか売上を伸ばす手段がありません。新規顧客を獲得するのは容易ではないため、基本的には発地側が、抱えている顧客を様々な場所に送り込む形が主流になっています。

しかし、目的地である地域側の視点になってエコツーリズムに必要な条件を満たすのであれば、発地側よりもむしろ着地側に拠点を構えているほうが断然達成しやすいですし、地域住民の本音を理解した上で事業を行っていくことができるのではないかと思っています。が、先ほども書いた通り、事業として成り立たせるのが大変だという矛盾も抱えています。どんな商売も簡単ではないと言われてしまってはそこまでなのですが、特に日本の地域は基本的に農家さんたちが体を張って開墾してきてくれた場所がほとんどなので、エコツーリズムが横文字なこともあり、なかなか地域の中では浸透していくことができないのが、本当なのかなとも思っています。

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