【阿寒摩周国立公園】散策路:和琴半島自然探勝路

過去掲載

周囲58キロもある屈斜路湖ですが、唯一散策路が整備されている場所が和琴半島です。半島を1周するように2.5キロほど歩くことができ、短い散策路ですが特徴的な自然がギュッと詰まっています。時計回りでも半時計回りでも歩くことができますが、ここでは時計回りで見られるものを順に紹介していきます。

1周約60分 距離2,500m 標高差約20m 駐車場から散策路入口まで約300m

湿地

駐車場から散策路入口までは湖畔を歩くこともできますが、湿地の中の道を歩くこともできます。夏になると鬱蒼と生い茂ってしまいますが、春にはミズバショウが咲いたり、鳥たちが飛び回っていたりと、ちょっとした自然観察をするのにはとてもいい場所です。

屈斜路湖畔(北側)

半島に向かって湿地の左手には屈斜路湖の北側が見えます。ここから見ただけでもとても広く見えますが、これは湖の一部です。砂利の浜のようにもなっており、家族などが水遊びに来たり、ピクニックをして過ごされているのをよく見かけます。

露天風呂

散策路入口横には野趣あふれる露天風呂があります。夕方になると地元の方もお風呂に入りに来る温泉です。基本裸で入りますが、水着を着て入っている方もいるようです。散策をされる際は、お風呂に入っている方がいるようなら覗かないようにしましょう。

エメラルドグリーンの湖

半島の岸辺は小さな湾になっている場所もあります。散策路を進んでいくと、温泉成分が融け込んでいるお陰で、湖が波立っていないときは、エメラルドグリーンの湖面を木々の間から見ることができます。

カツラの巨木

カツラは始めに育った木の根元から取り囲むように新芽たちが成長していく萌芽更新をする樹木です。和琴半島では人の手がほとんど加わっていないことから、萌芽更新を重ねたカツラの巨木が多く存在しますが、中でも散策路上で見られるカツラの巨木は目を惹く大きさです。すでにその中心にあるはずの元になった木は倒れてしまっているものの、次世代のカツラたちはまだまだ現役で傍を通っていく私たちを見下ろしています。カツラの葉からは秋になると甘い香りも漂わせてくれるので、夏だけではなく、秋に訪れてみるとまた違った趣があります。

登り下り階段とマダラスズ生息地(地熱帯)

ほとんど平坦だった散策路ですが、半島の先端だけは高低差があり、階段の登り下りがあります。登りの時はあまり段数は多くありませんが、その後なだらかな登りを登っていきます。

登り終わったら下り階段です。下りはずっと階段が続いていきます。

途中、木階段から岩階段になった右側にコケが生えている場所がありますが、ここではマダラスズが生息しています。階段の途中立ち止まって耳を澄ましてみると、小さくジー、ジーと鳴いている音が聞こえてきます。ここは地熱があるお陰で冬に来ても雪が積もっていません。そのお陰でマダラスズが一年中観察できる場所としても知られています。

オヤコツ地獄

階段を降り切った先にあるのが、和琴半島の先端、オヤコツ地獄と呼ばれる噴煙立ち上る火山活動を見下ろすことができる展望台です。ここでは火山活動だけではなく、屈斜路湖面や正面には中島、藻琴山など湖に突き出た半島ならではの景色が広がっています。椅子もあるので休憩するにはちょうどいいスペースです。

針広混交林

散策路は始めから最後まで基本的には針葉樹と広葉樹が入り混じる森の中になります。それでも比較的広葉樹が多いので、春には深緑が、秋には紅葉が針葉樹や湖面との色のコントラスを生み出してくれます。散策路の北側と南側では森の雰囲気も違うので、その違いも感じながら歩いて見るのもいいのかもしれません。

屈斜路湖畔(南側)

そして森を抜けると、護岸されている南側の湖畔に出てきます。そこを進むと出発した散策路入り口まで戻ってきます。

和琴半島自然探勝路では、春から秋にかけて足元に咲くお花や森の雰囲気も季節によって変化していきます。1時間という短い散策路ですが、それらがギュッと一か所に詰まった自然散策をするには最適な場所です。

雨上がりにはぬかるみや、木材の上などは大変滑りやすくなっていますので、足元には十分に注意しながら歩くようにしましょう。

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