先日、旅行においてガイドが旅行者に対してもたらす影響はとても大きいことを再実感させてもらえる出来事がありました。今回は備忘録として書き留めておこうと思います。
私が弟子屈に来て2年ほどたってからお世話になったのが、町内の小さな旅行会社です。そこでは夜空を観察するナイトツアーが実施されており、私もガイドとして数年間お世話になりました。フリーランスになった今でも助っ人で時々ガイドをさせていただいており、先月も何度かガイドに出向いたのですが、その際に参加してくだった方との会話が今日のお話です。
その夜は星も見えて、参加者も1組のみだったので色々とお話をしていると、10年以上前に高校の修学旅行で一度来た事があり、その際に見た夜空が忘れられなかったので、もう一度訪問しに来たとのこと。修学旅行なので1日使っているバスで夜空を眺めに出かけたそうなのですが、
「ガイドが乗り込んでましたか?」という私の問いに、
「おじさんが同乗して様々なお話をしてました」という答えが返ってきました。
さらに問いを重ねて、「ニコニコしながら星について熱く語ってませんでしたか?」と聞くと、
「そうだったと思う」とうろ覚えなりにも覚えてくれていました。
そこで私は心臓を掴まれたような衝撃を受けました。私が弟子屈に来たのはちょうど10年前。10年以上前にそんなことをしていたのは、1人しかいません。私を弟子屈に留めさせた張本人で星空ガイドの師匠です。
もちろん、彼らは星空を見にきたのであり、おじさんに会いに来たわけではないけれど、おじさんが弟子屈の星空を見出し観光資源にしようとしたことで得られたご縁です。もうそのおじさんはいないのだけれど、今でもこうして星空観察をやり続けることで、弟子屈を訪問してくれている人がいると思うと、本当に胸が熱くなりました。
私もその領域に達するにはまだまだ時間がかかりますが、これはもうやり続けるしか至ることができない領域です。太くなくてもいいので、持続可能な形で毎日毎日イマココを少しずつ繰り返していくことで、少しでもそこに近づいていけたらと改めて思わせてくれる一幕でした。
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