数年前から摩周湖に虹がかかる景色を見てみたいと思い続けていました。でも虹は様々な条件が重ならなければ、自分がその場にいなければ見ることができません。天気予報を見ながら、今なら摩周湖に虹がかかるかもしれないと思い出かけてみたり、今摩周湖で虹がかかっているよと連絡があってすぐに出かけてみたり。でも残念ながら見ることは叶いませんでした。見たい見たいと思うと見られないもんです。
そんな中、秋の天気が悪い日に摩周岳へ登ることがあったのですが、頂上にたどり着くと眼下に広がる摩周湖に薄っすらと虹がかかっているではないですか。大きく虹がかかっているわけでは無いし、色の濃い虹がかかっているわけでは無かったけれど、摩周湖に虹がかかっていたので思わず感嘆の声を上げてしまいました。
その翌年、夏の間にまた見られないかなぁと何度か通ってみたものの見ること叶わず今年も無理かなと思っていました。そして天気の悪い秋のある日、霧で景色が全く見られない中、西別摩周縦走のガイドで歩いていると、ゴール直前で急に霧が晴れて来て湖が見えるようになってきたと思ったら、太陽の光が差し込んできた瞬間、くっきりとした大きな虹が摩周湖を左から右へとまたぐようにかかってくれました。
その時はもう摩周湖にかかる虹は見られないだろう、と思っていたのですが、さらにその翌年の今年。天気予報を見ていると、ふと「摩周湖に虹がかかるよ」とまるで摩周湖に呼びかけられたような気がしたので、出かけてみました。展望台に到着すると遠くで雷が鳴ってはいるものの虹は見られません。せっかく来たし少し待ってみようかと待つこと1時間。
すると少しずつ夕陽が雲間から差し込み始めると、端から端までが見られる大きな大きな虹が摩周湖にかかってくれました。あとはとにかくシャッターを切るだけです。
これらの出会いはこの地に住み摩周湖の周りをウロウロしているからこそできる特権なのですが、面白いことに観光でたまたま来ている方も同じ景色を見ているのですから、全ては決めたられた結果なのかなと思うこともあります。でもだからこそ、目の前に出会うことができた1つ1つの瞬間を大事にしていこう、そう思えるのです。
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