【生き物たちの気配】とある小春日和に飛び回る4羽のクマゲラたち

過去掲載

冬の寒さも和らぎ、ストーブを焚かなくてもいい日が出てくる4月。別に冬の間もストーブは焚き続けているので、さほど体感温度は変わらないにも関わらず、布団から出てくるのが億劫になるのがこの季節。するとダラダラしたくなるのが私たちヒトですが、外では野鳥たちが待ってましたとばかりに飛び回り始めます。なかでも、とある小春日和の昼下がり、そもそもなかなか見られないクマゲラが出てきたと思ったら、なんと4羽のクマゲラが飛び回っているではありませんか。その後、1時間程度、その4羽のやりとりを見届けることができたので、そんな彼らの姿を見てみましょう。

鳥たちの春はパートナー探しで大忙しです。アカゲラがドラミングしたり、ヒガラが2羽で飛び回っていたり、ミソサザイが巣材探しにやっきになっていたり。中でもクマゲラのような大型な鳥がパートナー探しをしている姿は迫力があります。それはドラミングの音が、大袈裟かもしれませんが、工事現場のドリルのような音に似ていることもあるし、カラス大の鳥が思いっきり嘴を幹に連打している姿は圧巻だからです。

この時は、そんな求愛行動を取る2羽のオスと、その回りを2羽のメスが飛び回っているという状況から始まります。

この日は町で用事を済ませた後、屈斜路湖畔の道で車を走らせていると、急に2羽のクマゲラが目の前を横切ったではないですか。クマゲラたちは道路脇の木に止まってなにやら揉めているように見えます。車を止めて静かに見守っていると、どうやら片方のオスはドラミングをしているのに、もう片方のオスがドラミングをしているオスを追いかけるように近くに寄って行き、羽を広げて牽制しているようです。

何事だと思って辺りを見回すと、周囲にはなんともう2羽クマゲラがいるではありませんか。それも2羽ともメスです。なるほど。2羽のオスが2羽のメスを巡って、闘うわけでは無いですが、お互いに奮闘していたようです。

牽制された方も黙って見過ごせなかったのか、同じ幹へと飛び移り、羽を広げて牽制し始めました。

そんなやりとりを回りのメスたちが見守っていましたが、どのくらい時間が経ったでしょうか。1羽のオスが疲れたのか、もう興味が無くなったのか、牽制するのをやめると、その場から飛び去ってしまいました。

1羽になったオスは自分の時間を取り戻し、再度メスの回りを飛び回り始めました。すると今度は、1羽になってしまったオスを巡って2羽のメスが互いに牽制し始めたではないですか。

幹を挟むように向かい合い、首を伸ばし合う動作を繰り返します。1羽が幹を移動すると、1羽が追いかけて行き、1羽が幹を変えると、追いかけて行きを繰り返していきます。残ったオスは始めこそ、メスを気にしているように見えましたが、なかなか自分に振り向いてくれない2羽に興味を無くしてしまったのか、争っている2羽を尻目に食べ物探しを始めてしまいました。

結局なかなか決着?のつかない2羽に愛想を尽かしたのか、オスは2羽のメスを置いて飛び去って行ってしまいました。その様子に気づいていたのかいなかったのか、オスがいなくなってからも2羽のメスは最後まで追いかけ回し合い、最後はそのまま森の奥へと飛び去っていきました。

ずっと息をひそめて盗み見していた私でしたが、4羽ともこの場から去ってしまうと、何だかすごいシーンを見たのか、見てはいけないシーンだったのか。1時間程度でしたが、何かのワンシーンを見ているようでした。

ただ、彼らの今回の行動は、僕がこうして目の前のやり取りを勝手にパートナー争いだと思い描いていた心境とは全然違う意図を持っていたかもしれません。それでも、何かのシーンに立ち会った時に、こうして彼らが思っていそうなことを想像してみるのも楽しいものです。

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