【コラム】自然環境の保護と利用

過去掲載

自然を保護することと、利用することは相反することです。完全に保護しようとするならば、利用しない方がいいですし、利用しようとするならば、厳重な保護はできません。

もちろん、利用するならば、自然環境が悪化しないように配慮しながら、利用する範囲を決めて管理しなければ際限なく利用してしまうのがヒトです。しかし、どこまで人が介入して管理していくかの基準は、人それぞれのため、結論の無い議論へと発展してしまうこともあります。

また、一般立ち入りできるようにするのか、ガイド同行でないと立ち入りできないようにするのか、によっても議論は全然違う方向へと進んでいきます。もちろん、対象となる場所によっても対応の仕方は全然違うでしょう。

そこで、ここでは持論を述べたいと思いますが、一般開放する場所にするのであれば、関係者のできる限りの範囲で倒木や支障木などの管理をすべきです。特別な保護地域やガイド同行でしか行けない場所では管理を最小限にとどめて管理するべきです。

ただ、本当に保護したい場所なのであれば、そもそも完全立ち入り禁止にするべきで、どうして、特別に保護するような場所などに立ち入る必要があるのでしょうか。

そこには、立ち入れないから見てみたいというヒトの欲ももちろんあると思います。

しかし、それ以上に必要だと思うのは、特別に保護しているということは、それだけ希少だと認識された自然環境がそこにあるということです。その場所におけるさらなる細かい調査や定期的な調査などを実施していかないことには、自然の希少性が薄れてしまったり、自然環境に変化があっても気づくことができないという事態が起きてしまいます。利用されるからこそ、保護するための調査ができるようになるのではないでしょうか。

ここ数年で変わってしまったことなど、一個人では分からないことが最近あります。なので、いつかそれらに調査が入ってもらえるようになるためには、自然環境に影響を及ぼすほどの利用をする必要はありませんが、利用の推進をしていくことで、少しでも改善されていけばいいですよね。

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