温根湯温泉を横切る無加川沿いに左岸を町から少しだけ離れるように下流へ移動していきます。初めての場所は少し移動しているだけでも、この先には何もないのではないかと思いがちですが、左に見える丘を迂回するような道を回りこんでいくと、見えてきました。「北海道指定天然記念物、温根湯エゾムラサキツツジ群落」です。現地はつつじ山と呼ばれる散策路が整備された園地になっており、5月の開花中というとても短い期間の昼間のみ入園することができます。
エゾムラサキツツジの群落
ムラサキツツジは早春花と言ってもいいのかな。ミズバショウに次いで花を咲かせます。紫色をしていることもあり、森の中を歩いていると目立つお花ですが、なかなか群落になっていることはありません。しかし、このつつじ山では天然に群落を形成しているという、とても貴重な場所で、この時期だけ紫色の花を一面に咲かせているのですから、見ているとむせ返りそうになるほどです。
天然記念物に指定されているからか、あまり手を加えられておらず、散策路まで枝が張り出しています。かなり背丈も高くなっている場所もあり、まるでツツジのトンネルのようです。さすがにアトサヌプリ(硫黄山)麓のイソツツジの群落までの広さはありませんが、多少の高低差もあり小1時間ほどの散策を楽しめます。
エゾヤマザクラとのセットも
ここを訪れたのは2018年でしたが、開園直後に訪れた時はムラサキツツジがすでにきれいに花を咲かせていました。しかし、歩いていると園地の中に、まだつぼみが開いていない桜があるのを見つけました。もう少しで花開きそうな桜を見ながら、森の中で見るムラサキツツジは意外と長い間きれいに花を咲かせているので、後数日で桜も開花しそうだからツツジとセットで見られるかもしれないと思い、後日改めて訪れてみました。案の定ツツジの花は依然と美しい中、満開の桜が佇んでいるのを堪能することができました。
ただ、小高いツツジ山を登ると眼下には集落やキャンプ場などの集落が見えるので、大自然の中のムラサキツツジ群落を想像しているとイメージと違います。想像を膨らませすぎないほうがいいかもしれません。また、数年と通っているわけではないので、はっきりとは言えませんが、ツツジは咲きがいい年と良くない年があるので、このムラサキツツジ群落でも同じことが起こっているかもしれません。
2020年はコロナウイルス感染拡大を防ぐため、同時期に開催されているお祭りは中止になったようです。また開園時期も毎年違うようなので、しっかり確認してから訪れるようにしましょう。
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