日差しがまぶしくなる夏。セミの声を聞くと、より夏の暑さを実感します。エゾハルゼミやエゾゼミなど北海道もセミの声が響き渡りますが、なかでも、ミンミンゼミは道南では声が聞こえますが、道東まで来ると、全く聞こえなくなります。しかし、道東で一か所だけミンミンゼミの声が聞こえる場所があります。それが、屈斜路湖にある和琴半島です。ミンミンゼミが生息している北限の地ということで、この場所自体が和琴ミンミンゼミ発生地として国の天然記念物として指定されています。
和琴ミンミンゼミ
暑い日に、和琴半島に一歩足を踏み入れると、至るところからミンミンゼミの声が聞こえてきます。簡単にその姿を見つけられると思うと、そんなことは全然ありません。
和琴半島の樹木は背が高いので、木の背が低い場所でセミを探し始まます。木の背が低い場所で鳴いているミンミンゼミの声に引き寄せられるように近づくと、用心深いのか、すぐに飛び立ってしまいます。
かなり近いところまで近づけると、鳴き声が大きいため、他のミンミンゼミの鳴き声が遠く感じられるようになります。また、目の前にいるはずのセミとの距離感が分からなくなり、どの枝で鳴いているのか分からなくなります。
後は、目を凝らしてどこにいるのか探し回ります。あちこちで鳴いてはいるもののその姿を見つけるのはとても難しいのです。
ミンミンゼミの抜け殻
そんなミンミンゼミにも抜け殻があります。もちろん樹上でも抜け殻を見つけることができますが、ここ和琴半島では、足元のササやフキの裏など背の高くない場所で抜け殻を見つけることができます。それだけ羽化時に狙われないほど、外敵が少ないということなのでしょうか。
ただ、抜け殻の数は減っているようで、小動物か何かが幼虫を狙っているのかもしれません。
和琴半島
そんな北限のミンミンゼミが生息する和琴半島では、温泉が至る所で湧き出し、噴気孔からは噴煙が登ります。半島を1周することができる散策路が整備されており、様々な樹木や草花なども観察することもできます。
マップ
最後に
ミンミンゼミの発生ピークは7月下旬から8月上旬の暑い日です。午後も日が傾き始めると、鳴くことすらしなくなるので、探しに行くなら午前中のほうがいいでしょう。ミンミンゼミを見つけながら、和琴半島の自然を観察しながら散策を楽しむ。そんな時間があってもいいのではないでしょうか。
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