ここ数年、町内では摩周湖や屈斜路湖上空をヘリコプターで飛行する遊覧飛行が夏休みの間の期間限定で行われています。上空から見ると、摩周屈斜路の火山と森と湖の様子がよく分かるので、数年に一度セスナやヘリコプターに乗って近隣の空を飛びます。近年ではドローンを使用しての空撮が流行っていますが、記録や映像表現としてはいいと思いますが、私はどうしても自分の目で見たいので、空撮も基本的には自分が飛びます。夏のヘリコプターでの遊覧飛行は2020年も実施されるようなので、飛行経路は遊覧飛行とは違うかもしれませんが、今回は夏に見られる上空からの摩周湖や屈斜路湖の景色をご紹介します。
上空からはどれだけ大地が開拓されているのかよく分かりますが、摩周湖上空でも普段私たちがよく訪れる展望台もよく見えます。逆に摩周湖上空からだと自然景色の中にある唯一の人工物なので、とても目立ちますね。
自然豊かな北海道の自然も上空から見ると植林された森もよく分かります。摩周外輪山に沿って整備されている登山道にある風衝草原付近では風が吹き抜けるため木々が生えていないのも見てとれます。この外輪山に沿って大昔には山があり、陥没して水が溜まったというのですから、想像すると不思議な気持ちになります。
摩周岳の爆裂火口も同様にその昔は山だった場所。ここには水が溜まっておらず、絶壁すぎるが故に植物が生えることができない崖となっていることもこの爆裂火口では特筆すべき点です。森林限界を超えたり、硫黄などの成分などにより森林限界が見られるガレ場ですが、ここでは斜面の傾斜による森林限界が起きています。
摩周岳を登っていくと、頂上からは足元から落ちていくその崖が怖いくらいですが、こうして空から見下ろしていると、また違った趣があります。
そして摩周湖とは違い、一部、湖の回りが農地として開拓されている風景を見られるのが、屈斜路湖上空です。
こうして見下ろしてみると、北岸と南岸で森と農地に分かれているのがよく分かります。
農地でも湖畔際は森が維持され対岸から見たら森として見られるように配慮されています。湖に突き出た和琴半島も魚の尾のくびれたところとして見ることができます。昔からそう表現されてきたということは、空から見られなかったのですから、きっと屈斜路外輪山の山の上から見てそう地名づけたのでしょう。
地面を移動しているだけでは気づきずらいですが、屈斜路エリアは屈斜路外輪山と湖に挟まれており、水辺の集落なんだなと実感されられます。
釧路川源流にアイヌの方のコタンがあるように、平地で食べ物も豊富で水もあり、開拓していくには適していた場所だったのでしょう。北岸と南岸の違いがよく分かります。
また、摩周カルデラと違い、この写真でも屈斜路カルデラの半分しか写せていません。どれだけ大きなカルデラなのか、そしてその中には硫黄山やアトサヌプリカルデラがあるのか思うと、とんでも無い場所なんだと実感されられます。
今回は夏の摩周湖と屈斜路湖を上空からの景色をご紹介しました。私も含めてこんな場所で弟子屈の人たちは暮らしているのだなというのを少しでも想像していただけたら嬉しいです。
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